みなさんこんにちは、市原です。
第1号、看護国試パーフェクト便りのお届けに参りました!
今回は第1号ということで、国試勉強において序盤の方でみんながつまずきやすいポイントについて解説していこうと思います
今回のテーマはこちら
『体循環と肺循環』
動脈とか動脈血とか、ややこしいわ!
まずは1問、過去問から出題していきましょう
【第111回国家試験 午後11】
左心室から全身に血液を送り出す血管はどれか。
①肺動脈 ②大動脈 ③肺静脈 ④大静脈
クソデカ血管ってコト…?
この問題は必修なので、一般問題ではここを理解した上でさらに踏み込んだ問題がやってきます
暗記だけじゃなく、流れや一つ一つの理由・仕組み全体が理解できるよう解説していきますので、一緒に確認していきましょう
\重要ポイントだけまとめた効率本/
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心臓の造り
まず心臓の造りから解説です
心臓の中身はこ〜んな感じ
ほ~、4つの空洞があるのう
心臓の左側には、左心房と左心室。心臓の右側には、左心房と左心室があります。
左右の見方
先程の図、右手側に左心、左手側に右心があって混乱するかもしれません
基本的に、教科書の図やレントゲン写真などは『自分と向かい合ってる人』だと思って見てください
この写真と見つめあってる…
そうすると、こっちから見たら右手側にある物も、向かい合う人側からしたら左になっていると思います
心房と心室
さて、それでは心臓の造りについて解説していきたいと思います
心臓を家に例えて、物件紹介していくよ~
今回ご紹介するのはこちら、心臓です
2階建て4部屋構造の、4DKとなっております
画像上のお部屋が心房
画像下の少し大きめな部屋を心室と呼びます
ちなみに、房には小さい部屋という意味があるため、世間一般でも心房と心室のことをよく『部屋』と例えることが多いです
そして、心房と心室の間に弁と呼ばれるドアも常備
心臓は血液を送り出すため、ポンプのように収縮拡張を繰り返しています
そのため心臓の動きに合わせてこの弁がパカッと開けば、心室へとひとっ飛びで降りることができます
心房にあった血液が心室に送られ、心室にある血液は血管へと送り出されます
血液は規則正しく循環しています。左心室と右心室は、拍動数も1回の拍出量も等しいです。つまり、体循環も肺循環も同じ量の血液が巡っているため、どこかで血液が溜まったり詰まることなく順々に体を1周しています。
体循環
体循環 全身を1周
スタート地点を左心房としましょう
①左心房には新鮮な酸素がたっぷり含まれた血が肺から流れ込んできます
②弁が開いて左心室へと降ろされたら出陣の合図です
③大動脈という道路を通って全身へ駆け巡ります
酸素を多く含む新鮮な血を動脈血と言います。また、酸素を各臓器へ提供し終わり、酸素濃度が薄くなり二酸化炭素濃度が高くなった血のことを静脈血といいます
動脈・静脈/動脈血・静脈血
この時ややこしいのが、肺動脈と大動脈、動脈血と静脈血の違いです。
体循環と肺循環が混ざるんじゃ
動脈血と静脈血の説明は以下の通り
動脈血…酸素が豊富な血液
静脈血…各臓器へ酸素を提供済。酸素の薄い血液
動脈と動脈血、静脈と静脈血はそれぞれ違うものなので、国試本番では読み間違いに注意しましょう
動脈と静脈については以下の通り
動脈…"主役の臓器"へと向かう道
静脈…"主役の臓器"から離れる道
混乱した時は主人公が誰かを考えてみるとわかりやすいと思います
例えば肝臓が主人公だとしたら
肝動脈…"肝臓"へと向かう道
ということになりますね。
基本的に各臓器は酸素を食べて生き生きと働いています。
これをふまえると、基本的には動脈に動脈血、静脈に静脈血が流れているということがわかりますね
しかし、動脈を通るから動脈血だ!と思うのは惜しい間違いです
ここで、ややこしい例外が肺です
肺は呼吸によって貯まった酸素を血液へと吐き出すお仕事をしています。つまりは、肺にとって酸素が空っぽの血液がご飯です
つまり肺へ向かう道である肺動脈の中から、酸素の少ない静脈血が流入してくるということになります
そのため肺の循環に関しては、肺動脈に静脈血が流れ、肺静脈に動脈血が流れるというわけです
そんなこんなで話を戻すと、左心室から送り出された動脈血は大動脈という大きい血管を通って全身へと酸素をお届けに向かいます
血管は先へ行くほど、細く網目状に広がって全体に血液が届くような構造をしており、その網目状の細い血管を毛細血管と呼んでいます
各臓器へ酸素を配達したら、そのまま静脈を通って心臓へ戻ります
大静脈には、上ルートと下ルートがあり、これらは上大静脈・下大静脈と呼ばれています
肺循環 肺で酸素の受け取り
酸素を運び終えた血液は、大静脈を通って右心房に送り込まれます
そこで一息つきたいところですが、まだ酸素を仕入れるという仕事が残っています
肺は呼吸をして取り込んだ酸素を血液中に送り込むための臓器です。酸素を仕入れるためには、肺に血液を送り込まなければなりません。
そのためのお部屋が右心室です
右心房にいたのもつかの間、弁がパカッと開いて右心室へ行き、肺動脈を通って肺へと向かいます
肺で酸素を補給したら、肺静脈を通ってまた元の左心房へと送り込まれます
これでようやく一周しました
\簡単解説で効率よく勉強/
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肺に向かって流れる血管が肺にとっての動脈、肺動脈です
肺から酸素を受け取ったら、肺を出ていく血管 肺静脈を通ってまた元の左心房へと帰っていきます
さいごに
いかがでしたか
体循環と肺循環の違いは理解できたでしょうか
- 心臓は左右に心房と心室がある
- 臓器へ向かう血管が動脈、心臓に帰っていく血管が静脈という
- 酸素が豊富な血を動脈血、酸素を提供し終わった血を静脈血という
- 肺動脈には静脈血が通り、肺で酸素をもらって動脈血となり、肺静脈から心臓に戻る
解剖生理は、文字の暗記よりも体の仕組みを理解する方が早く正確に覚えることができます
みなさんも体の流れにゆっくり触れてみてくださいね
血液はちゃんと体を1周しているのだ!
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